ニューヨーク:プライド・パレード2019を通じて学んだ事
ストーンウォール事件から50周年
そもそもLGBTのプライド・パレードが始まったのは、1969年6月28日に起きたストーンウォールの反乱がきっかけだそう。1960年代、同性愛者はキスはおろか、公共の場で手を握ったりダンスをすることが法律で禁じられていました。そのため必然的にゲイバーやクラブといった場所が、LGBTの人達にとっては自由に自分のアイデンティティを表現できる限られた交流の場所だったそうです。
ゲイバーの検挙などが頻繁に行われていたそんな時代に、グリニッジ・ヴィレッジにあるStonewall Inn(ストーンウォール・イン)いうゲイ・バーで警察による立ち入り捜査が行われました。その際、そこに居合わせた同性愛者たちが初めて真っ向から警察からの嫌がらせに対して向き合って暴動を起こしたのが、ストーンウォール事件です。この出来事が発端となり、同性愛者の解放運動とアメリカにおけるLGBTQ+の権利活動へと繋がり、翌年の6月に一周年を記念するデモ行進が行われたのが、ニューヨークをはじめ世界中で行われているプライド・パレードの起源と言われています。
ストーンウォール・ナショナルモニュメント
ストーンウォール・インの前にある小さな公園(Christopher Park)の一画は、オバマ大統領が退任前の2016年6月に国立モニュメントに指定しています。しかしその後、人種差別主義者、性差別主義者、アンチゲイでもあるトランプ政権下では、連邦管理下にあるモニュメントにプライドの虹色の旗を掲げることに懸念を示していると、最近のニュースでも取り上げられていました。いつもなんとなく通り過ぎていた公園ですが、まさか国立モニュメントとして保護されているとは知らなかったです。
レインボーだけじゃない!マーチ中に掲げられる旗の種類
(左上から)
- レインボー:ゲイ(PRIDEから派生してLGBTQの象徴としても使われる)
- レインボー+ ♀(雌)記号:レズビアン
- ピンク・白・水色:トランスジェンダー
- ピンク・紫・ネイビー:両性愛者(バイセクシュアル)
- ピンク・黄色・水色:全性愛者(パンセクシュアル)
- ピンク・グリーン・水色:多性愛者(ポリセクシュアル・複数の性に惹かれる人)
- 紫・白・カーキ:クィア(非ヘテロセクシュアルな恋愛感情を持つ人全般)
- 黄色・白・紫・黒:ノンバイナリー(女性・男性の性別のいずれでもない人)
(参照:Wikipedia)
近年LGBTだけではなくQ+という表記がされるようになったのも、このように多様化するセクシュアリティに応じてのことだったんですね。上に記載した旗はほんの一部で、まだまだ種類があります。アメリカでは同性婚が全州で合法化されたとはいえ、まだまだ性的マイノリティーの人たちにとっての人権問題や法律改正をめぐる政治的な闘争は続いています。こういったことを念頭にパレードを観ていると、参加者たちがプラカードを掲げてマーチをしながら伝えたいメッセージがより響いて感じられました。
LOVE IS LOVE
どんな人に恋愛感情を抱くかはその人それぞれ違うし自由だけれど、「人を愛する」という行為は万人共通。LGBTQだけに限らずどんなアイデンティティを持っていても、自己否定することなく自分自身をありのままに愛してあげること。そして周りを自分の尺度だけで評価せずに、ありのまま受け止めてあげること。そんなことを改めて今回のパレードが教えてくれたような気がします。
まだまだ時間はかかるかもしれませんが、これからの時代は異性同士が恋愛・結婚をする=常識という概念がなくなって、性別や国籍を越えた「みんな地球人」という感覚が浸透していく日も遠くないかもしれませんね。Love is Love. 世界中が温かい愛で包まれ、もっと平和で穏やかな世界へと導かれますように…
with Love♡ mimi
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